青島手帖

足うらふみふみ = Luxury

獅子文六『自由学校』

ひさしぶりに小説を読んでみた。獅子文六による新聞連載小説『自由学校』
表紙はもうちょっとどうにかならんかったのか?(筆者の肖像画って・・・)

教育理念的な話はまったく出てこない。英語と日本語を混ぜた造語『飛んでも、ハップン!』『ネバー・好きッ!』で有名。
終戦から5年後の1950年5月に連載開始なので、71年前の小説である。映画が2本制作されるほど、当時は話題になったそう。今、90代くらいの方にこの時のお話を聞いてみたいナ〜。

終了してしまったけれど、港の見える丘公園に併設されている神奈川近代文学館獅子文六フェア(?)が開催されてたんだネ。

ぐうたら夫とキビキビ妻の夫婦喧嘩を発端に、様々な出来事がドミノ倒しのように引き起こされていく。ナカナカに大きなトラブルが起こるものの全体的に穏やかで優しいので、平穏な気持ちで読み続けられる。広げた風呂敷をきれいにまとめる手腕はスゴい。まさに朝の連続テレビ小説向き。
しかし「あー、これは忘れ去られるワ」って思ってしまうくらい内容が軽い。当時は週刊雑誌のうわさやのぞき見みたいなノリだったのカシラ?

夫の五百助をやたらノロマだのぐうたらだのと形容しているけれど、そりゃそうなるわってくらいあらゆる面で恵まれすぎ。むしろ有能。コイツは自業自得だが、妻の駒子は最初から最後まですべてがもらい事故なので哀れである。読み終えてもなお残るモヤモヤ感っていうかこの怒り。一言でまとめると『なにもしない五百助を皆でちやほやするお話』である。ゴミ箱に投げ捨てたい(くらいの気持ちだ)けれどKindle版なんだよなぁ。
当時の世相を知る機会があったら、キャラクターの見方が変わるカモしれないとも思ったので、保存はしとこ。

この時代の小説ってこんなカンジだったか?と、昔読んで面白かった太宰治の『グッド・バイ』(Kindle版は無料!)を読み返してみたら、ひきこまれるねぇ〜。音楽を聴いているかのようなテンポの良さ!

あ、あとこの頃の小説は『読点』がモノスゴ多い!ていうか、Twitterとか読点なさすぎ(文字数制限あるもんね)。時代性を感じましたワ。
ちょっと私自身もいま一度『句読点』の使い方を学び直したいと思う。